

能面:孫次郎(孫一)
能装束:紅白段檜垣秋草唐織(元禄時代)ほか
扇:鬘扇
©長谷良樹


新年明けましておめでとうございます。
平素より弊財団にお力添えを賜り、心よりお礼申し上げます。
弊財団の新年は1月5日、13時の謡初よりスタートいたします。
武田修能館に於いて無料で開放しておりますので、気楽にお運びくださいませ。
弊財団の能楽公演の中心とも言える花影会は、2016年の財団の設立を機に親族、流儀、東京在住などに関わらず、能楽界最高の出演者を念頭に番組を作り、春は現在ではほとんど上演機会が無くなった「翁」とワキ能のシテを同じ者が勤める翁附を、必ず行ってまいりました。
昨年よりは春開催の年1回に改め、数年は私と、財団専務理事でもある、弟文志がシテを勤める催しとなりました。
本年は能の中でも非常に演劇性の高い「仲光」、「天鼓」、狂言他、演目全てを、同じ親子の愛に特化した選曲にいたしました。
今まで以上に愛好者、初心者の方、共に御楽しみ頂ける催しにすべく、財団設立以来初となる、武田宗典によるお話を行い、能楽師によるリアルタイム解説の音声ガイドなども継続して行わせて頂きます。
どうか、多くの方にお運び頂きたくお願い申し上げます。
能をご覧になる事で、お心や御身体が元気になれる様、寿福増長の精神を大切にしてまいります。
皆様の御健勝を祈念し新年のご挨拶とさせて頂きます。


故 武田太加志は、能楽の興隆のために誠心誠意尽くした昭和時代の能楽師の一人といえます。その功績のなかでも、能楽師の手元から離れていた貴重な能面、能装束を生涯かけて収集し、現存する約200曲の演目に足りるものを保有したことは、能の将来に明るい広がりを与えました。
また、故人は「いつでも自由に芸の研鑽を積める環境」を理想として掲げ、その修練の場として昭和51年 武田修能館を再建し、以後 多くの門下が稽古場として活用しています。
昭和60年の太加志没後、その嫡男である志房は、故人の遺した財産を維持継承しながら、新たな面装束の製作を続けて更なる充実に努めました。
そして志房は、これからの能の将来を見据えて、「父の遺した偉大な志と財産は、能楽の世界でこそ生きる」と確信し、平成28年11月1日、長男 友志と共に弊財団を設立、私財であった能面、能装束等と武田修能館の全てを弊財団へ寄付しました。
このたび 弊財団は、内閣総理大臣より公益財団法人として認定をいただきました。今後は、所蔵する財産を能楽界の公財としてご活用いただきながら、斯界のみならず、我が国の文化芸術の振興に寄与できますよう、積極的な活動に努めて参ります。